
ニットと織物の大きな違いにひとつに、生地をつくる段階で製品の形に成形ができるかできないか、ということがあります。
こんにちは。
アパレル業界6年目のTomoです。
基本的にアパレル製品は生地をつくって、裁断、縫製して製品化されますが、ニット製品は長方形で生地をつくらずに、パーツや、製品の形に「成形」することができるという特徴があります。
今回はその成形の方法の違いと、糸ロス率の違いを簡単に説明していきます。
※僕が勉強した時点での情報に基づいています。
成形

目を増減して身ごろ、袖などの各パーツの形を作ります。
一番スタンダードなニットの成形で、糸のロス率は3%くらいとされています。
(日々技術が進化しているので、今はもっとロス率が少なく作れるのかもしれません!)
各パーツはリンキングでつなぐため、縫い代がなく、ごろつかないのが特徴です。
また、縫いどまりしなく、ニット独特の伸縮性を保つことができます。
半成形

身ごろの肩先から上と、袖山をまっすぐ編み立てて、袖山のみをカットして縫製します。
肩の縫い代を薄くしたいときや、成形では表現できない形を出すために部分的にカットして製品にします。
成形よりもカットする分、糸のロス率は高くなります。
ロス率は20%程度とされています。
流し編み

目の増減を行わずに、長方形に編み立てたものをカットして、本縫いミシンでパーツを縫製します。
織物での製品づくりに近いですが、織物と違い、編み出しや脇はカットせずにそのまま使用して、袖ぐりや襟ぐりなど部分的にカットして成形します。
・分厚い編地でリンキングによる縫製が困難
・目減らしによっての成形が困難
こういった場合に流し編みでカットして製品化することが選択されます。
糸のロス率は35~40%程度になってしまいます。
ロス率は高くなりますが、成形しない分編み上がるまでのリードタイムは短くなります。
ホールガーメント
パーツごとに成形するのではなく、無縫製で製品の形にします。
カットや縫製箇所がいらないため、ロス率は1%くらいといわれます。
今後はホールガーメントが主流になっていく?
ここまで書いてきたように、ホールガーメントと流し編みでは糸のロス率が大きく変わります。
材料だけで言えば、無駄の多い流し編みですが、ロットが大きくなればなるほど、生産効率は高くなり、工賃は安くなります。
ホールガーメントは機械制御で、1着を編み立てるので、ロットが大きくなっても効率が上がることはありません。
そのため2020年現在では、まだまだ1着あたりの単価でみると、パーツを編み立てて縫製する製造方法のほうに分があります。
しかし、今後はホールガーメントが主流になっていくと思っています。
それは生産技術の進歩が期待されることもありますが、すべての業界において環境に配慮している企業が選ばれるようになってきているので、ホールガーメントを選択する企業が増えていくんじゃないかなと思っています。
最後に
今回はニットの成形と糸ロス率の違いについて説明しました。
どの方法にも良いところと悪いところ(糸ロス、単価、生産リードタイム)があるので、何を重視して企画をするのかが大切になると思います。
参考になれば幸いです。

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