ユニクロも、デサント(水沢ダウン)も有名アウトドアブランドも なぜダウンジャケットの圧着(シームレス)加工が流行したのか。

冬の服選び FASHION / APPAREL

最近よく見かける縫い目のないダウン、あれってただのデザインなの?

こんにちは、アパレル業界6年目のTomoです。

昔はダウンジャケットといえば、ダウンを区切ったステッチ(縫い目)がデザインの特徴でしたよね。

しかし、最近では縫わずに、熱と圧力で生地と生地とを圧着してダウンを区切ったシームレスダウンが流行しています。

これは意匠性(見た目)の新しさだけで流行ったのではなく、ダウンジャケットとしての保温機能においてもメリットがあるのから流行っているのです。

・ダウンジャケットの弱点「コールドスポット」

・弱点を克服したのが圧着

・取り扱い時の注意事項、キーワードは「熱」

ダウンジャケットの弱点「コールドスポット」

冬場の最強の防寒着といえばダウンジャケットですよね?

(ロシアなどではその上をいくものとして毛皮を羽織るらしいのですが、それは置いておいて)

ダウンは重量に対してかさ高性があり、暖かい空気を多く閉じ込めるため、高い保温性を発揮します。

しかし、そんなダウンジャケットにも弱点があります。

それがダウンを区切るための縫い目の部分=「コールドスポット」です。

コールドスポットにはダウンが入っておらず、また縫い目から風も入ってしまいます。

「なら、ステッチなんてなくせばいいのに」

と思うところですが、あのステッチは実はデザインだけではなく、ダウンがウェアの下のほうに溜まってしまうのを防ぐ役割を果たしているのです。

なので、ダウンジャケットとコールドスポット問題は切っても切れない問題なのです。

ダウンジャケットの弱点を克服した圧着技術

しかし、それを解決したのが圧着の技術です。

アウトドアのシェルやレインウェアなどの内側の縫い目の上に、テープのようなものが貼ってあるのを見たことがある方もいるかと思います。

あのテープには熱でとける接着剤がついており、それを繊維に浸透させることで、生地と生地とをくっつけています。

通常のジャケットには肩に縫い線があり、普通に縫っただけの場合、例え生地が防水であってもウェアの中に水がしみ込んできてしまいます。

それを防ぎ、防水・防風生地の機能を100%活かすのが圧着の技術です。

そしてそれをダウンジャケットに応用し、通常のダウンジャケットよりも防寒性を高めたのがシームレスダウンなのです。

取り扱い時の注意事項

防寒性にすぐれたシームレスダウンですが、取り扱いには注意が必要です。

先ほど述べたように熱と圧力で接着剤をとかしてくっつけているため、熱に弱いという特徴があります。

日本の乾燥機の場合、そこまで問題ないようですが、高温になるタンブラー乾燥機などでの取り扱いには注意が必要です。

取り扱いが難しいことから、クリーニング屋さんによっては、シームレスダウンの取り扱いを断られるケースもあるようです。

日ごろから表面をふいたり、ブラッシングしたりして手入れをしつつ、シーズンオフにクリーニングに出す際には店員ときちんと話して知識があるかどうかを確かめてから、クリーニングに出すことをおススメします。

最後に

いかがでしたでしょうか。

ダウンジャケットのステッチにダウンを固定する役割があることは意外と知られていなかったのではないでしょうか?

取り扱いには気をつける必要がありますが、この冬はシームレスダウンであったかく過ごしてはいかがでしょうか。

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